うかいブログ

2019.12.10更新

【知覚過敏のメカニズム】

歯には「神経」がありますが、実は、直接の刺激がなくても痛みを感じてしまうことがあるのをご存知でしょうか?
その原因は神経をおおう「象牙質」から通じる「無数の穴」の存在。
そう、この穴を通じて外側から神経に刺激が伝わってしまうのです。
この穴を「象牙細管」と言います。

とはいえ、本来この象牙質は、歯ぐきの上の部分は「エナメル質」で、歯ぐきの下は「セメント質」で守られています。
しかし、何らかの原因でエナメル質やセメント質が失われると、象牙質がむき出しになって、むし歯でもないのに「象牙細管」を通してしみたり痛みを感じたりするようになってしまいます。
これが「知覚過敏」の正体です。

では、なぜ象牙質がむき出しになってしまうのか?
その主な原因は「むし歯」そして「歯ぐき下がり」です。
歯ぐきが下がると「セメント質」が露出しますが、実はこのセメント質は、エナメル質と比べるとかなり弱く、ブラッシング程度でもあっという間になくなってしまい象牙質がむき出しになってしまうのです。

知覚過敏は放っておくと様々な病気のリスクを高めます。
そもそもセメント質はむし歯になりやすく、歯ぐきが下がるだけでも非常に危険です。しかも知覚過敏になると、痛くてみがきにくくなり、プラークが落ちにくくなります。
すると、そのプラークにいる細菌が酸を出し、歯の表面を溶かしてさらに知覚過敏が悪化。その結果、さらにみがきにくくなって、もっとプラークが増えてしまいます。
この悪循環によって、「むし歯」や「歯周病」がどんどん進行し、ひいては「口臭」なども引き起こすことになってしまうのです。

市販で「知覚過敏」用の歯みがき粉などが販売されていますが、「しみるな」と思ったら、まずは必ず歯科にご相談ください。
実は「しみる」と言っても、その原因は知覚過敏以外にも多数あり、これをご自身で判断するのは非常に困難です。
実際、「対処が遅れたために歯の寿命が短くなってしまった」ということも珍しくありません。
また「知覚過敏」であったとしても、その根本的な原因を把握し対処することも大切です。
とにかく「しみるな」と思ったら、早めに歯科を受診しましょう。

 

投稿者: うかい歯科