うかいブログ

2022.10.26更新


歯の表面はエナメル質・象牙質で覆われており、その中に『神経』が入っています。
この神経が入っているところを『根管』といいます。
むし歯が進行してしまっても、エナメル質や象牙質までなら「むし歯になったところだけ」をとり除けば処置は済みます。
しかし、むし歯菌が神経まで到達すると状況は一変。  そうなってしまえば、神経をすべてとらない限り痛みはなくなりません。
そして、少しでもとり残しがあると、いずれ再治療が必要になってしまいます。
むし歯菌に侵された神経を根管からとり除き、薬を詰める治療を『根管治療(歯の根の治療)』といいます。
神経をとり除く際には『リーマー』 『ファイル』といった器具を使用するのですが、神経組織は根管の中で、血管など他の組織と絡み合って結合されており、簡単にはとれません。
しかも根管の太さは0.5mm以下。
さらに、曲がっていたり、枝分かれしていたりすることも。
根管治療は緻密な治療なので、どうしても時間がかかってしまうのです。
医療保険が手厚くない海外では『根管治療』を行わず『抜歯』になってしまうことがほとんどです。
海外で根管治療を行う場合は「保険が適用できない」「手間と時間がかかる」ため、その費用も数万円から数十万円と決して安くありません。
一方、日本は「根管治療が保険診療で行える」数少ない国のひとつ。
「一度失ったら取り戻すことのできない歯」を残せる重要かつ貴重な処置ですので、時間がかかることもありますが、最後までしっかり治療を受けてくださいね。

投稿者: うかい歯科